ことば音楽療法 発声・発話の練習の導入 太田ステージStageⅠその② ことば音楽療法 京都

当教室は、発語がみられない子供に対して積極的に発声・発話を促すレッスン内容を取り入れています。ですが、いきなり、発声・発話をさせたりといったことはしていません。
その子供の様子を観察し、手順を組んで導いてゆきます。

 

 前回の記事では、言葉がみられない子供(2歳前~3歳代)の導入のレッスンを一部紹介しました。
 今回は、発話を促す内容を少し詳しく説明します。
①リズム、言葉歌を聴く
②動作模倣(大きな動作から口・舌の動作)
③息を吹く、
④取り組み課題(手の操作、目の手の協応)

 

①リズム(337拍子のリズム)、言葉歌を聴く
 音を聴く、人と音楽を楽しむ、物の名前を知る、音節分解、予測することを学びます。
 エッグマラカスと果物の玩具を持って、音とリズムを聴き楽しみます。
 絵カードを見ながら、2音節語の言葉歌を聴きます。
 日本語のアクセントは音の高低からなるミュージックアクセントで、音符・拍に一音が入ります。337拍子のリズムの言葉歌を聴くことで、文節分解を促します。まずは、2音節語の歌を聴かせます。その語について話かけもし、語についてイメージを膨らませます。
 337拍子のリズムは、休止が入ります。休止により、次のリズムを予測させます。予測が当たったことで、達成感を得られます。
 音楽は時間とともに流れます。時間の流れの認知を促します。また他人と時間を共有していること、楽しさも共有できていることも学べます。
    「り、り、りんご、りんごとりんご」
    「う、う、う~ま、うま、うま、う~ま」

 

②動作模倣
 まず身体部位のポインティング、そして大きな動作模倣(バンザイなど)から始めます。
 発声・発話の練習には口や舌の模倣は大切ですが、認知機能がしっかりしていない子供にとっては、自分では見えない口・舌の細かい動作は難しいです。まずは身体部位のポインティングと大きな動作の模倣でボディイメージを学びます。

 

 絵カードと見本を見せながら、言葉歌を歌います。
    「あ、あ、あたま、あたま、あたま」
 ポインティングの練習では、7拍リズムを用います。
    「♩ ♩ ♩ ♩ ♩  (あたま~!)」 
     Am      E7             Am
    6拍目でためて、7拍目に頭を触れます。

 

 バンザイの模倣の場合はも7拍目に入れます。
    「♩ ♩ ♩ ♩ ♩  (バンザイ!)」 
     Am      E7    Am
    (文章での説明はわかりにくいですね。すいません)
 しっかりポインティングや模倣ができなくても、構いません。少しでもまねたら良しとし褒めます。

 

 身体部位ポインティングや大きな動作に対して、抵抗がなくなり始めましたら、
口・舌の模倣に入ります。口を開けたり、舌を出したりと見本を呈します。
口・舌の模倣も7拍目に入れます。少しでもまねたら良しとし大いに褒めます。
いったん、舌を出す動作がわかった子供たちは、嬉しくて何度もします。
口・舌の模倣ができれば、次に構音類似運動の模倣へ移ります。

 

③息を吹く
 発声には、息が必要です。まずは、軽く吹くことを見本を見せながら教えます。
セラピストの手を吹くように言います。あるいは親御さんの手を吹くように言います。
軽い息で吹けることを確認できたたら、次に強く吹くこと、長く吹くことなど教えます。
羽根、風車、笛なども吹いたりします。

 

④取り組み課題:円柱さし、型パズル、型入れ子など。
 手の操作、目と手の協応、内言語の練習です。発語の練習には直接は関係はありませんが、発語の課題は苦手なことを受身ですることになります。知育玩具の取り組み課題を合間に入れることで子供たちへの報酬の働きになりますし、動機付けにもなります。

 

 太田ステージでは、発声・発話の練習に関しては、StgageⅠに「物を吹く」があります。StageⅡから「音声模倣」があります。ですが、私は、身体の動作模倣、口や舌の動作模倣がみられはじめ、息を吹くことができれば、すぐに発声の練習に移ります。母音の練習からです。

 

こぐまちゃんの口元に羽根をもっていってます。
自分の息で羽根を動くのを感じてもらいます。
画像はイメージです。